何が起きたのかわからない。
なんで、こんな怒った顔で、押し倒されているんだろう。
今、好きなのはおれだって言ったよな?
また、これだ。
ちょっと浮かれると、叩き落される。
服はひん剥かれ、ゾロが覆いかぶさっている。
脇腹を撫でられぞくりとするが、体をシーツに押し付けてなんとか逃す。
「あっ!」
ぱくりと胸の尖りを咥えられ、たまらず声が出てしまった。
「こんな感じやすい身体のくせに」
わかってるよ!
だから、いつもイヤだって言ってるじゃないか。
見たくねぇなら、触んじゃねぇよ!
片手を齧り、声を殺す。
片手でゾロの頭を押し返そうとするが、チロチロと舐めているその頭はびくともしねぇ。
こっちは、震えちまって力も入らねぇから、結局緑髪を掴んでるだけだ。
ヤバい、勃っちまう。
条件反射のように、頭の中にゾロの声が蘇る。
・・・相当だな。こっちの客も取ってたんじゃ・・・
「直接触ってもいねぇのに、ダラダラ零してんじゃねぇか。」
ギュッと握られ、萎えさせるのも失敗した。
頭にあてていた手から力が抜け、パタリと落ちた。
何がしたいんだ、ゾロ。
おれが一喜一憂してんのが、おもしれぇか。
やりてぇだけの方がマシだった。キツイぜ、ゾロ。
おれの気持ちまでおもちゃ扱いか。
ボロボロと涙が出てきて、止まらない。
下に落ちた手を眼の上に乗せて隠す。
口は手に齧りついてないとみっともない嬌声があがりそうなのに、鼻が詰まって苦しい。
こんなんで窒息死とか、流石にイヤだなぁ。
「濡らすもんねぇんだよ。さっさと出せよ。」
ゴシゴシと乱暴に扱かれ、射精したとたん、後ろにぬるりとした指が触れてきた。
最近ローション使ってくれるから楽だったのに、精液じゃ引き攣れて痛ぇんだよな。
感じなくて済むから、いいか。
メリメリとゾロが挿入ってくる。
やべ、こいつ、でけぇ。
久しぶりだもんな。クソイテェ。
いつもなら、前立腺に当たらないように気を付けるんだが、ずらす余地も無ぇ。
「ちっ。ゴムも置いてきちまったじゃねぇか。
いいか。生で。
最初も生だろ。生の方がいいのか。」
かはっ
齧り続けていた手をもぎ取られる。
「何、手噛んでんだよ。てめぇ、手大事なんじゃねぇのかよ。」
歯型とそこから流れる血を舐められ、ぞわりと快感が這い上がり、歯を食いしばる。
「おわ!
すげぇ、今。中動いたぞ。」
知らねーよ。そんなん。
「たまんねー。エロい身体しやがって。
なぁ。中に出していいよな。種付けさせろ。」
もう、何でも良いから、さっさと終わってくれ。
ぱんぱんと尻にあたる小気味いい音が、心を冷やす。
中に熱い液体を感じ、ずるっとゾロが出て行ったとき、
前立腺を擦られ、反射で屹立していたモノがしおしおとうな垂れた。
「てめぇ、なんでイかねぇんだ。」
無茶言うな。男の身体は、案外デリケートなんだ。
力も入らず、ただ乗っけているだけの腕を、顔の上から取り除かれる。
滂沱のように流れ続けた涙でぐしゃぐしゃだろう。