カトル・パニック 2

産まれたままの姿を3人に晒す格好になり、サンジの躰が朱に染まる。

「へぇ、懐かしい姿だな。」

隻眼のゾロが目を細めるのを睨み付け、もう1人のサンジが衣服を緩める。

 

「トウが立っちまって悪かったな。」

するんとゾロの顎を撫で上げ、ギュッと耳を引っ張った。

「懐かしいっつっただけだろ。」

若いゾロにポイと潤滑油を投げ、分かりやすい嫉妬をしているサンジを抱き締めた。

「てめぇがハゲても、腹が出ても、愛してるぞ。」

「口だけは達者になったよな。」

うそぶきながらも身を任せた。

 

視線が外れてホッとしながら、そちらを眺めていたサンジの首に歯が立てられる。

「おい、こっち集中しろ。」

脇を降りる手に鎮まっていた艶欲が蘇る。

横たわり、小さく主張している胸の突起を引っ張って、親指で押し潰す。

二本の指で挟んで真ん中に爪を立てると、触れてないもう片方も、フルルと揺れて誘ってゾロの口内に包まれた。

 

渡された潤滑油を指に垂らし、秘孔にぐぐっと押し入ろうとしたとき、手首を掴まれる。諭すように掴んだ手によって入口の周辺を撫でさせられた。

ボソボソと話す言葉までは聞き取れないものの、開いた自らの脚の間に2人がしゃがんでいる異様な光景にサンジがいたたまれない気持ちでいると、白く長い手に顔を包まれた。

 

「おまえは余計なこと考えねーで感じてりゃ、いーの。」

耳を栓してサンジがサンジに口接ける。

「ふーん、耳覆うといいのか。」

「てめぇが学んでんじゃねーよ!」

若いサンジの脇に寄り添っていたサンジが、下方の声の主に蹴り出した脚は、難なく止められ開かれた。

 

堅い窄まりがようやく一本の指を奥まで受け入れる。

「少し抜け。その辺に感触違うとこあんだろ?」

探る指が出入りするたびに、サンジを不快感が襲い、下腹がビクビクと揺れる。

ともすればこみ上げそうになる吐き気から、気持ちを逸らしてくれるのは咥内を擽る長い舌だったが、その口が唐突に離れ、あぁっ!と大きく喘いだ。

 

前立腺を見つけられないゾロの空いた手を、自分のサンジの孔に入れさせ、その場所を教えているのだった。

「あ!はぁっ、ン!」

余裕の表情でキスを仕掛けていたサンジの突然の乱れ様に心奪われる。

(気持ち良さそう…)

男の喘ぐ姿なんて見たくない、男への恋愛感情は認めてもその気持ちは変わらなかったのに、これは……。

 

たどたどしい指と、熟練の指が同時に暴れる内からの刺激は、サンジを悦楽の渦に引きずり込んだ。

しつこいほど、前立腺を突き、撫でる指と、その後ろでジュブジュブと出し入れを繰り返す慣れた指。

半ば閉じた瞳には涙を湛え、金髪を振り乱して、言葉にならない声を絶え間なく紡ぐ唇はテラテラと光っている。

サンジの知る限り誰も触れてない雄の象徴は青筋が浮かぶほど、固く大きく勃ち上がって透明の雫を滴らせていた。

(…色っぽい…おれの顔なのに。)

 

力を失っていた両手がサンジの首を引き寄せる。

「くそ…二人がかりなんて…」

「どっちもおれだろ。」

小さな囁きを聞き洩らさずに顔を寄せた隻眼のゾロが近づいてくるのをマジマジと見る。

言われた当のサンジは無視して、若いサンジの唇に口を寄せた。

唇を捕られたゾロは耳たぶをなぶり、舌を突っ込んだ。

 

「好きだ、サンジ…イけ。」

「ふぅっ―ンッ!あ、あ、ああ―――!」

 

促されるままに達し、荒い息を吐くサンジからは艶やかな何かが立ち昇っているようだった。

「おまえもすぐヨくしてやる。」

ニヤリと笑うゾロは自分のゾロではなく、でも確かに惚れた男だった。

 

見とれるサンジに激しい衝撃が降りかかる。

「あ!あ―!!」

「ビリビリする?」

「ふ、ふぅ、んっ!うん!」

「無理やり勃たせられてるみてぇだよな。」

コクコクと頷くサンジは、話かけてくる同じ顔に縋り付き、ポロポロと涙を流していた。

 

激しい反応を見せる男根は指戯を続けるゾロの咥内へ。サンジは深い口接けを与えながら、指は胸の尖りを弄ぶ。その指と胸元をまとめて愛撫しているのは年長のゾロだった。

躰中に受ける刺激はとてつもなく、どれが効いたのかもわからないままサンジは達した。

達しても止まない愛撫に、混濁した意識が漂っていく。

 

コロンと身体をひっくり返され、サンジの上に乗せられたのも、若いサンジは気づいていない。

 

ゾロが息を整え、切先を秘所へと宛がった。

 

背中に緊張が走る。

 

隻眼のゾロが背骨に口接けを落とし、気を逸らす。

二人のサンジの男根をまとめて握り、扱き始めたのもこのゾロだ。

 

 

continue