カトル・パニック 5

長い絶頂を越え、荒い息を吐く4人は同じようでいてそれぞれだった。
気恥ずかしく服を引き寄せようとするものの動けないサンジと甲斐甲斐しく上着を着せかけるゾロ。
二人が呆れ半分、羨ましさ半分で見る先には、どこ吹く風と、余韻に浸ったまま抱擁を交わし、熱く接吻を交わす二人がいた。
「おい!てめぇら、透けてんぞ!?」
「え?あ、やべぇ!時間切れ!」
「もう、朝か!?」
ガバッと離れた二人はジタバタと身の回りの品を拾い集める。
「おい、マリモ!おれの靴無ぇか!」
「それより、おれの刀!」
慌てて靴に足を突っ込むサンジと、刀をひっつかみサンジを抱き寄せたゾロの姿は次の瞬間、闇に溶けた。
「潤滑油はやっから、遠慮なく使え!」
「わりぃ!掃除しといてな~~」

茫然と見送った二人は、最後の言葉にハッと室内を見回す。
まだ乾いてない床。
白濁液と油でドロドロの毛布。

「「くっそ、あいつら~」」
「何がやるからだよ、ほとんど空じゃねぇか。」
ゾロが持ち上げた瓶を振る。
衣服を身につけたサンジが靴を履こうとして叫んだ。
「あいつ、おれの靴履いていきやがったぁ!」

夜明けは目の前…………。

 

fin