後孔を探ると、先ほど無理やり割り拓いたそこは、閉ざされていた。
指先をほじるように入れてみると、おれの精液が零れ出してドキッとする。
その滑りに助けられ、入口を揉み解す間、
サンジはひどく神妙な顔でキョトキョトとせわしなく視線を彷徨わせている。
ここを使ってイイ思いをさせたこともないから、怖いのかもしれない。
「大丈夫か?嫌なら無理しなくていいぞ。」
「無理じゃねぇ。ゾロ。繋がりたい。」
その言葉に泣きたくなる。
そんな丁寧じゃなくていい、落ち着かないんだ、と言い張るサンジの声を受け、
奥まで差し入れると、確かに中は柔らかくなっていた。
たぎるモノを奥まで押し入れ、馴染ませるようにゆっくり半分程引き抜く。
「ふちが・・・」
縁?
接合部に視線を落とす。
内臓側にあるべきピンクの肉が引きずり出されて露出している。
「めくれてんな。痛ぇか?」
つっと何気なくそこをなぞれば、サンジが仰け反った。
「ひぁっ--!!」
「イイのか。」
「イィ!ふちが、めくれ、て・・気持ちイ!」
すげぇ。たまんねー。
「あ、あぁ・・・ん-・・んっ」
薄く開いた口からは開け閉めに伴って、絶え間なく小さな声が漏れている。
上気した顔の中で、殊更赤い目元。
固く閉じていた瞼は、その力も失ったのかうっすらと開いている。
覗く焦点の合わない碧眼は涙で濡れて、揺すられるままに目尻から雫を落とす。
なんていやらしい姿だろう。
匂い立つようだ。
この姿を引き出したのが自分かと思うと誇らしくなる。
男娼扱いしたと言っていた。
最初のときにこの姿を見たら言うかもしれない。
慣れてるのかと、絶望して。
今なら、分かる。
おれだから、感じるんだ。
おれだから、乱れるんだ。
そうだろう?サンジ。
窓の外が白々と明ける。
一晩中、抱き合っていたらしい。
同じことを考えていたのだろう腕の中のサンジがニカッと笑って言った。
「だめだ、おれら。なまじ体力あっからキリが無ぇ。」
「キリなんて、いらね。まだ足りない。」
「足らせろ、あほ。猿かってんだ。」
「あー、猿のオナニーってやつか?」
「一度覚えたら死ぬまでやるって。ホントかよってヤツ。誰が試したんだっつうの。」
「それより、ひでぇ。やんなきゃ死ぬ。
また10日もあけたら、おかしくなる。てめぇ、麻薬みてぇだ。」
「ジャンキーかよ。手、震えんだろ。」
「おぅ、それだ、それ。」
「ばーか。そりゃアル中だ。安心しろ、てめぇのアル中は今に始まったこっちゃねー。」
軽口の応酬を楽しんでいたら、まんまとアル中に誘導されてしまいおもしろくないのに、
カラカラと楽しげに笑う男がたまらなく愛おしい。
片腕にサンジの頭を乗せたまま、片身を起こして囲い込む。
「ありがとな。」
「何が?」
「おれを見限んないでいてくれて。」
「おまえ、キャラ変わってんぞ。」
頬に朱を散らせながら、うそぶく姿をジッと見ていると、
くしゃと顔を歪めて両手で首にしがみついてきた。
「ゾロッ」
抱いた手に力をこめる。
もう、間違えない。
おれたちは今、始まったばかりだ。
fin
誕生日を絡めるのは無理があったので、時期不明です。
ま、A面が誕生日だから、いっかってことで。
ただ、W7出て、スリラーバーグ着く前なつもり。
離れ離れになる直前に思いが通い合ってると良いかな、と。