距離3

思いがけずイってしまったサンジは悔しいし、

何か違う、こんなん全然気持ち良くない、と荒い息を吐きながら唇を噛む。

 

そのとき、ゾロが下から突き上げる。

「おい、自分だけ気持ちよくなってんなよ。」

 

ゾロの足にしがみついて、膝頭に額をあてうなだれていたサンジは、

震える足で腰を上げ、フラフラとベッドに座り込んだ。

 

「もぅ、いい。

 怒ってんならセックスなんかしなきゃいいだろ。

 いらね。

 クソッ

 バカにしやがって。」

 

しまった、やり過ぎた、とゾロが気づいても後の祭り。

ゾロのテラテラと濡れて立ち上がっているものに向けてタオルを投げつける。

泣いてないのが不思議なほど、サンジの声は震えていた。

「シャワー浴びて治めやがれ。」

 

 怒ってない、

明るいとこで見んのが珍しくて、

調子に乗っちまったんだと。

必死に弁解するゾロの口から、

キレイだの、

カワイイだの

普段、毛嫌いしている軟派な言葉の数々が飛び出すに至って、

サンジは一転、吹き出してしまった。

 

「てめ!似合わなすぎ!」

「知るか!!」

反射的に言い返すものの、

機嫌が直ったならいいか、と思ってるんだから大概だ。

 

「だいたい、てめぇが煽るから悪ぃんじゃねぇか。」

「あお・・!

 ばっかじゃねぇの。

 おめぇなぁ、よくこの固ぇ躯にそういうこと言えんなぁ。」

憎まれ口は叩き続けているが、

サンジの顔が朱に染まるのを確認して、ゾロが抱き寄せる。

 

「薄い皮膚の下でな、

 弾けそうな筋肉が動いてんのがいい。」

そう言って、胸筋を確かめるように撫でながら深く口付ける。

「ん゛っ」

押し倒し、咥内を舐めつくすと、

思わずサンジの喉から上がった声にゾロがニヤリと笑う。

「その声もいい。」

「声、なんて・・・おめぇよか低い、じゃねぇか。」

「そうか?」

サンジの耳に口を寄せて、舌先を突っ込みながら答える。

 

「んっ、ぁ-」

咄嗟に口を押さえたサンジの両手を掴んで左右に広げる。

「聞かせろって。そそるんだからよ。」

「てめぇ・・・おれにそそんの。」

「おう」

「まじで変態だな。」

「てめぇに惚れんのが変態なら、おれぁ変態でいい。」

 

サイテーだ。

口説き文句として最低レベルだ。

なのに、口説かれてしまう自分も最低だ。

 

サンジは頭の芯がクラクラするのを感じながら、繋いだ手に力を込める。

ゾロは片手を自分の首に回させ、空いた手で愛撫に戻る。

 

首から胸、

胸から脇、

脇から太ももへ掌が移動したときには、

抗いもせず自ら足を開いていた。

 

股間に指を差し入れると、

先ほどのゾロの吐精で未だ濡れている。

「こんなとこを濡らして

 ぐちょぐちょにしてんのもクるよな。」

「それは、てめぇの!」

「おう、

 余計イイだろ?」

と嬉しそうに言うが、

長い中指を中でクルクル回すから、サンジは返事もできない。

「ひ!ん-」

歯を噛みしめるとゾロが舌先をつつき入れて開かれる。

声を殺す術もなく、嬌声が止まらない。

 

さっきまでゾロの太いものを含まされていたそこは、

あっという間に増やされた指を苦もなく受け入れる。

「あぁっ!」

グプッ

クプンと水音を響かせながら、

勢いよく抜き差しする。

 

「や、だ!

 やぁっ!」

「熱いな。

 ココに入りたい。

 なぁ、サンジ?」

「あ、あ、あぁっ!

 やだ、指で、指!やだ!」

頭を振り、何かを伝えようとしているのを

感じたゾロが手の動きを緩める。

「指で、イキたく、ない!

 ゾ、ロ!」

「サンジ、一緒に気持ち良くなろうな?」

 

お互いに待ちに待った瞬間だった。

ようやく、互いの気持ちが揃った状態で繋がった例えようのない快感は、二人を攫った。

火傷しそうに熱い杭が奥まで届いた瞬間、更に熱い液体が迸った。

同時にサンジも爆け、最後の一滴まで絞り出すように中が蠢く。

 

抱き合って荒い息を吐きながら、二人は顔を見合わせた。

サンジがからかうためにニヤリと笑う。

 

「てめ、早すぎ。」

 

「しょうがねーだろ、くそ!」

 

「なぁ、もう無理か?」

 

サンジが意識して下腹に力を入れる。

うゎっ、こんなんすんの初めてだ、とサンジはチラッと後悔するが、

実は最中には無意識で筋肉は同じ動きをしていた。

される側はよく知る刺激で、ドクンと再び大きくなる。

 

「うわっ、ちょ、待った。

 いきなり、そこまででかくすんじゃねーよ!」

 

「誰のせいだ!」

 

「あー・・・ひぁっ、あぁっ!

 ・・・はぁんっ-!!

 待て、待て!タンマ-!」

バシバシとゾロの頭やら肩やらを叩くが・・・まぁ、待てるわけがない・・・

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