余計な恥をかいたのはてめぇのせいだから、てめぇも剃れ。
ぎゃぁぎゃぁと喚くコックの言わんとすることを要約すればこうなった。
余計な恥というのは腋毛が慎ましやかである、とおれがバラしたことだが、いくら普段厚着してようが水着にもなれば、一緒に風呂も入る仲間内のこと、秘密でもなんでも無いだろう。
百歩譲っておれに某かの責任があったとしても、コックがすね毛を剃ったのは全面的に無関係だ。
「はぁーっ」
ため息をついたおれを口を尖らせたコックが見つめる。
(なんだよ、その顔。誘ってんのかよ。)
思わず浮かんだ考えに、んなわけねーだろ、と突っ込みを入れる。
逆上したこいつに正論なんて通るわけないのもよくわかっているし、剃る位おれにゃ痛くも痒くも無ぇ。
そんなことで気が晴れるなら・・・
「いいぞ」
「え?」
「どこを剃りたいんだよ」
パッパッと服を脱ぎ捨てるおれをコックがマジマジと見て憎まれ口を叩く。
「おめぇだって薄いじゃん」
「だから何だってんだ、てめぇはどうでもいいことばっか気にし過ぎだ。」
「ああ、そうかよ!じゃぁ、ここでも良いわけだな?」
コックが指したのは股関。
流石にパイパンは抵抗があるが、男に二言は無ぇ。
構わねえ、と言い捨て下着も脱いでやると、ゴクリとコックが嚥下する音がやけに大きく聞こえた。
cintinue