柔らかな朝日の中、サンジが目覚める。
手も足も絡み合ったまま互いを抱き締めるような恰好で、下敷きになっていた腕がジンジンと痺れている。
二人を包むのはひたすらに穏やかで幸せな空気。
満ち足りた気持ちで緑の髪を梳く。
どうしたって胸に残る乱暴の爪痕を埋めるように、ひたすら甘い交合だった。
「腰だっるー」
苦笑交じりに一人ごちる。挿入を控えたって、幾度も射精すれば疲労感は半端ない。
「てめぇ基準にすんなってんだ。」
撫でていた頭にペシッとデコピンすると、もぞもぞと躰に巻きつくゾロの腕を外す。
ベッドから抜け出そうと、向きを変えたとき、熱の塊が太ももに刺さった。
「うっそだろ、明け方まであんなに…」
思わず呟いたサンジが赤く染まり、押し黙る。
そう、『あんなに』出したのはサンジ一人で、ゾロはいつもの絶倫振りを押し隠し、ほとんどイかず仕舞いだった。
一度だけの挿入すら、サンジの出血を見咎め、サンジが達したら途中で抜いたから。
「え…えぇ~~」
座り直して、指折り数え始めたサンジだったが、どんなに記憶を手繰っても、自分の痴態しか浮かばない。
しかも、あのときナカを擦ってくれりゃ、絶対すっげー気持ち良かったのに…なんて、考えてしまうに至っては自己嫌悪に陥るのも無理はないだろう。
そうなると、一人朝勃ちしてる男が気の毒なような、自分のせいのような思いにかられ。
「ったく、しょうがねぇな~」
掛け布団に潜り込んだ。
「なにしてんだ、てめぇ」
「うぇあ」
「なんで」
「はっへふはは」
「アホ、朝勃ちだろ、ほっときゃ治まる。」
その言葉とは裏腹に、視覚からの刺激も相まってゾロが目覚めてから途端に反応がヨくなっていた。
脈打つ雄を直接咥えるサンジがそれに気づかないはずは無い。
上目遣いで見上げると、ますます雄々しくなる怒張。糸を引きながら口を離し、嫣然と笑う。
舌を伸ばし、鈴口を突いてやると、ゾロが呻いた。
嚢を柔らかく揉みしだかれ、もう片手で根元から擦り上げながら、カリを刺激されれば、我慢できるわけがない。
胴を震わせながら、サンジの頭を掴むと引き剥がす。
「飲むな、アホ。」
口内発射は免れたものの、サンジの顔は白濁まみれとなった。
「うっは。べっとべと。何すんだ、ボケ。」
「飲むなよ、これから朝めし作るんだろ…」
「ふははは。結構繊細だよな、大剣豪。」
「今日は大事な日だって言ってただろうが。」
「おう、スペッシャルな日だぜ、てめぇも楽しみにしてろ。」
ひらひらと片手を振ると、サンジはバスルームへと消えて行った。